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ビジネスにおける著作権のポイントをおさえよう

著作物製作委託契約ビジネスにおいては、他人の著作物を商品化して販売したり、ホームページなどコンテンツを外部に委託して制作してもらうことがあります。そこで、ビジネスにおいては契約が重視されます。著作権に関する契約としては、著作権使用許諾契約(ライセンス契約)、著作権譲渡契約、著作物製作委託契約が挙げられます。


なお、著作権は目に見えない権利であるため将来にわたりトラブルが起きやすいこと、さらに契約内容が複雑化することから、決して口約束では済ませず、契約内容を確認した文書(契約書)を作成する必要があります。

 

1.著作権使用許諾契約(ライセンス契約)とは

著作権使用許諾契約とは、著作権者(ライセンサー)が使用権者(ライセンシー)に対し、使用方法や使用条件などを定めて著作物の使用を許諾する契約であります。そこで、使用権者は、著作権者に契約で定められた使用料を支払う必要があります。これは、一般に「ライセンス契約」と呼ばれます。


ビジネスにおいては、ライセンス契約を締結することが特に多いかと思います。ライセンス契約においては、使用権者に対し契約で定められた使用方法及び条件の範囲内で著作物を使用する権利のみが保障されます。著作物の所有権及び著作権は著作者に帰属したままで、使用権者には移転しません。

例えば、使用目的をCDに複製、頒布すると定めた場合、CDに複製し販売することしか認められません。そこで、DVDに複製すること、インターネット配信するためハードディスクに複製しサーバにアップロードすることなどは契約違反だけでなく、著作権侵害ともなります。

さらに、使用地域を国内のみと定めることが一般的であるが、インターネット上で使用する場合は、全世界に発信されるため国内のみと限定することはできません。 なお、契約を締結する際は、使用する著作物が他人の著作権等を侵害していない旨を保証させること、二重ライセンスを防止するため独占的な契約であることを確約させておかなければなりません。

 

2.著作権譲渡契約とは

著作権譲渡契約とは、著作権者から譲渡人に著作権を移転させる契約であります。これは、著作権の全部または一部を譲渡することができます。

例えば、レコード原盤を譲渡された場合は、CDに複製し販売するだけことでなく、DVDに複製することや、原盤の楽曲をインターネットで配信することも認められます。さらに、携帯電話の着メロや着うたに編曲することも認められます。

翻訳権、翻案権、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利は、譲渡の対象になっていることを明記しないとこれらの権利は譲渡されなかったものと見なされます。そこで、すべての著作権を譲渡する場合は、「すべての著作権(著作権法第27条及び第28条に規定されている権利を含む)を譲渡する」と契約書に明記しなければなりません。


著作権がすべて譲渡されても著作者人格権は譲渡されません。著作権を譲渡した場合は、公表することに同意したものと見なされます。公表するとなると著作物の改変が必要となるかもしれません。そこで、著作者人格権を行使しない旨の特約(著作者人格権不行使特約)を明記する必要もあります。


著作権を譲渡する場合は、二重譲渡を避け権利関係を安定させるため、文化庁に対し著作権登録をしておくべきです。

 

3.著作物製作委託契約

著作物製作委託契約とは、コンテンツを外部の者に委託して製作してもらうための契約である。例えば、ホームページ制作委託契約、プログラム開発委託契約などである。


外部に委託し製作されたホームページやブログラムの著作者は、これらを製作した受託者となります。これは、委託者が製作に関する費用を負担した場合であっても変わりません。そこで、著作権に関しては、著作権譲渡契約、またはライセンス契約を結ぶ必要があります。その際、独占禁止法と下請法(下請代金支払遅延等防止法)に注意しなければなりません。


公正取引委員会の定めた「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法の指針」によると、取引上優越した地位にある委託者が、一方的に成果物に係る著作権等の権利を帰属させたり、受託者の二次利用を制限することは、不公正な取引方法となります。


また、委託者が下請法上の親事業者となれば、契約時に別途、法定事項を記載した発注書を作成し、下請事業者となる受託者に交付しなければなりません。その中で、成果物に係る著作権の譲渡対価や使用料を定めなかったり、不当に定めた場合は、下請法が禁止する「買いたたき」や、「不当な経済上の利益提供」となります。成果物の不当な受領拒否や、やり直しも禁止されます。

 

下請法上の親事業者と下請事業者

ホームページ制作委託、音楽・映像などコンテンツ製作委託の場合

1.資本金5,000万円を超える法人が資本金5,000万円以下の事業者と取引する場合
親事業者 資本金5,000万円以上の法人
下請事業者 資本金5,000万円以下の法人または個人事業者
 
2.資本金1,000万円以上5,000万円未満の法人が、資本金1,000万円以下の法人と取引する場合
親事業者 資本金1,000万円以上5,000万円以下の法人
下請事業者 資本金1,000万円以下の法人または個人事業者

 

職務著作(法人著作)とは

ビジネスにおいては、著作者が個人か法人かよく問題となります。著作権法は職務著作として、会社の従業員が業務にて製作した著作物の著作者は会社となります。ただし、以下のすべての要件を満たさなければ職務著作とは認められません。

 

要件
1.法人等の発意に基づくものであること
2.法人等の業務に従事する者が職務上製作するものであること
3.法人等の名義で公表するものであること
4.労働契約、就業規則などに「従業員に著作権が留保される」旨の特約がないこと